ロマネスク?ゴシック?建築様式はどう違う??
2021年3月16日12:16 PM カテゴリー:イタリア,エリア,スペイン,その他,ドイツ,フランス,ヨーロッパ
ケルン大聖堂ゴシック様式サン・マルティン教会サン=トロフィーム教会トレド大聖堂ノートルダム寺院ピサ大聖堂ロマネスク様式
ヨーロッパ旅行で欠かせない観光と言えば、教会や美術館、お城巡りですよね。
ガイドブックに載っている歴史的建造物について「ゴシック様式の傑作」など、建築様式についても記載されています。
もちろん知識はなくても、その豪華で繊細で壮大な建築物は見るだけでも感動します。
ですが、建築様式の予備知識があるだけで、もっともっと教会を、美術館を、お城を楽しめると思いませんか?
今回は教会に特化した代表的な建築様式の2つをご紹介致します。
ロマネスク様式
ロマネスクとは「ローマ式」という意味です。
古代ローマ文化の影響を受けた建築様式がロマネスク様式です。
キリスト教の終末思想が広まり、修道院の活動がヨーロッパに大きな影響を与えていた10世紀末に西ヨーロッパで誕生しました。
イタリア ピサ大聖堂

ロマネスク様式が繁栄した時代の教会は、現在よりも厳格な存在でした。
多くの教会は世俗と離れた僻地に建てられ、修道士たちは活動に勤しみました。
教会内に絵画や彫刻などの装飾物はほとんどなく、修道士たちの厳格な生活が想像できます。
<ピサ近郊の街フィレンッェの参考記事>
「フィレンツェ完全ガイド: 日本からのアクセスと20代学生女性向け旅行プラン」
スペイン サン・マルティン教会

ロマネスク様式は石造りの「分厚い壁」多数の「小さな窓」ローマ風の「半円アーチ」豪華な「柱頭」が特徴です。
石造りの構造上、天井は外に開こうとします。
天井が外に開かないよう支えるため、壁が非常に分厚くなっています。
分厚い壁と同様に建物を支えるため、窓は小さく作られています。
ローマ風の半円形のアーチ部分にはキリスト教の教えを伝えるために聖書の場面や登場人物などが彫られています。
多くの柱頭には、植物の模様や物語をモチーフにしたデザインが使われています。
ロマネスク様式の代表建築:サン=トロフィーム教会

フランス南部、プロヴァンス地方のアルルにあるサン=トロフィーム教会。
11世紀に建造されたロマネスク様式の教会です。
フランスにおける代表的なロマネスク建築で、タンパンや回廊の柱の彫刻はロマネスク様式の傑作として知られています。
(タンパン→正面入口上部の半円部分のこと)
ゴシック様式
ロマネスク様式の要素を発展、洗練させた軽やかで明るい様式がゴシック様式です。
12世紀中頃に北部ヨーロッパの国々を中心に広まっていきました。
町を代表する大聖堂の建築様式として多用されているので、一番目にする機会が多い様式です。
フランス ノートルダム寺院

12世紀の農業改革が進んだ農村地帯では、生産性が上がって労働力が余り出しました。
農業という職を失った人々が仕事を求めて都市部に移り住みだしました。
その結果、「互いに見知らぬ人々と群れの中に住む」というストレスに満ちた環境が生まれてしまいます。
急増したストレスからの救いを求める人々は安息を求め、キリスト教が広まりました。
都市部に住む大勢の人たちも収容できる大規模な教会が必要になったことで、ゴシック建築が誕生しました。
ロマネスク建築が修道士のために存在するのに対し、ゴシック建築は市民のために存在しました。
スペイン トレド大聖堂

ゴシック様式は天井の高さと光を追求しており、色鮮やかなステンドグラスの入った窓が特徴です。
天国に近づきたいという信仰心から、天井の高い教会が求められました。
尖頭アーチと交差リブ・ヴォールトで天井の重みを左右に逃がし、飛び梁で壁が横に広がろうとするのを横から抑える。
この工法ができたことで、ゴシック建築はロマネスク建築にはできなかった高い建物を造れるようになったのです。
壁で建物を支える必要がなくなったので、大きなステンドグラスを入れられるようになりました。
当時は光=神の化身と考えられており、ステンドグラスから差し込む光は市民の信仰心を高めました。
ドイツ ケルン大聖堂 内部

また、ステンドグラスは文字を読めない市民のための「建築化された“巨大な聖書”」としての役割も担っています。
巨大なステンドグラスに聖書の内容を絵で描くことで、文字を読めない市民にも聖書の内容を伝わっていきました。
ゴシック様式の代表建築:ケルン大聖堂

ドイツ西部、ケルンにあるケルン大聖堂です。
双塔の高さは157mで、ゴシック建築としては現在でも世界最大級です。
典型的で純粋なゴシック様式で、ゴシック様式の傑作と言われています。
資金不足や流行り病の流行で工事が中断され、600年以上かけて完成しました。
いかがだったでしょうか?
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