【世界遺産を巡って】熊野三山を巡った参拝の旅
2021年7月27日2:32 PM カテゴリー:アジア,エリア,日本
今回は、世界遺産にも登録されている古の霊場「熊野三山」を巡る旅に出かけてきました。
熊野三山とは、和歌山県にある熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社及び那智山青岸渡寺の3神社と1寺院が存在する熊野地域の霊場の総称です。
熊野速玉大社で前世の罪が清められ、熊野那智大社において現世における縁が結ばれ、熊野本宮大社では来世の救済が行われると伝えられています。
つまり、熊野三山の巡礼を行えば、過去から現在、そして未来に至るまで神々のご加護を得ることができるのです。
熊野三山は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として、ユネスコの世界遺産にも2004年に登録されています。
今回は、そんな神聖な熊野三山の魅力をご紹介したいと思います。
出発は朝7時。前日に宿泊した大阪市内からのスタートとなりました。
事前に調べた最初の目的地の熊野本宮大社までの所要時間は、約4時間。大阪市から和歌山市までの所要時間が1時間強であることを考えると、和歌山県の中でもかなり奥深い地域になることが想像できました。
サービスエリアでの休憩を挟みながら、高速道路を約2時間。残りの2時間は山道をひたすら走り続け、やっと熊野本宮大社に到着することができました。
到着した熊野本宮大社で待ち受けていたのは、158段の階段。
息を切らしながら登りきったその先に、撮影も禁止とされている神域があります。
その神域内に祀られているのは、熊野加武呂乃命(くまぬかむろのみこと)、家都美御熊野坐大神(くまぬにますおおかみ)、子大神(けつみみこのおおかみ)の3体の神様です。
熊野本宮大社の神域内は、熊野三山の中でも最も伝統的な雰囲気を残しているスポットとされています。
しかし、石段を降りた先には、神域内と対照的な近代的に整備された建物があります。
綺麗なその建物にはカフェが設置されており、スイーツを楽しむこともできるようでした。
また、熊野本宮大社の周辺にはおみやげ物屋もあり、買い物を楽しむことができます。
そして、熊野本宮大社みどころは、その社殿や石段だけではありません。
石段を下り、鳥居をくぐって外に出て、目の前の国道を横断して徒歩数分、そこには、見たこともないような大鳥居がそびえ立っています。
これを見れただけでも、今回の旅に値打ちがあったと思える程の迫力を持った大鳥居でした。
次の目的地である熊野速玉大社へ向かう途中、熊野速玉大社の摂社である神倉神社へも参拝を行いました。
神倉神社の石段は、熊野本宮大社の158段を上回る538段。和歌山の神社は石段ばかりなのでしょうか?
しかも、今回の石段はほぼ天然の形のままの石を使用しているため、かなり荒い形になっています。
また、傾斜も登るほどにきつくなり、一段ごとの幅もどんどん狭まっていきます。
あまりの険しさに手をついて登っている参拝客の姿もありました。
険しい石段を登りきった先に待っていたのは、眼下に町を見下ろす絶景とゴトビキ岩です。
ゴトビキ岩というのは、神倉神社のご神体である大岩で、熊野権現が最初に降臨したと言い伝えられている霊石です。
パワースポットとしても有名らしく、多くの参拝客が訪れていました。
そのゴトビキ岩に寄り添うように、天照大神(あまてらすおおみかみ)と高倉下命(たかくらじのみこと)が祀られています。
神倉神社の参拝を終え、次の熊野速玉大社へ向かい、車を走らすこと15分。また石段かと思いきや、今度は街中の平地に建てられた神社でした。
その境内には、樹齢1,000年を上回り、日本最大とされている、ご神木のナギの木が植えられています。
この熊野速玉大社には、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)という夫婦神が祀られており、縁結びにご利益がある神社としても有名なのだそうです。
熊野速玉大社を参拝したら必ず訪れたいのが、神社から車で数分の距離にある香梅堂さんです。
この香梅堂さんは、歴史のある和菓子屋さんなのですが、そこで販売されている鈴焼きがこの辺りの名物となっています。
ざっくり言うとベビーカステラの親玉みたいな感じなのですが、屋台で食べるものとは全くレベルが違う上品な味に仕上がっています。
ぜひ、熊野速玉大社を訪れた際は召し上がってみてください。
熊野那智大社と那智山青岸渡寺は併設されるような形となっているため、次が最後の目的地となりました。
熊野速玉大社から車で40分程度の距離にある熊野那智大社で待っていたのは、やはり石段。今回は神倉神社と違い綺麗に整えられた石段ですが、その段数は467段となかなかのもの。
正直、もう足腰が限界です。
ひざを震わせながら、やっとの思いで登りきり、熊野那智大社へ参拝。
この神社に祀られているのは、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)という神様です。
全てのものの生成や育成を司る神様とされおり、諸願成就の神様や農林水産漁業の守護神、縁結びの神様として崇められています。
この熊野那智大社には、八咫烏伝説が伝えられています。
八咫烏とは3本の足をもった神の使いのカラスで、即位前の初代天皇を現在の奈良県の橿原の地まで道案内をしたと言い伝えられています。
道案内を終えた八咫烏は熊野の地に舞い戻り、この那智山にて烏石に姿を変え休んでいるとされています。
その烏石は、現在でも熊野那智大社の社殿の脇にたたずんでいます。
那智大社に続いて、那智山青岸渡寺も参拝しました。
那智山青岸渡寺は、熊野那智大社と隣り合っており、神社と寺院が隣接して建つという珍しい寺院です。
そして、この場所でもっとも有名なスポットが那智の瀧です。
熊野那智大社の石段を下りきったその先に、那智の瀧はあります。
那智の瀧自体がご神体とされているため、瀧への入り口には鳥居が設置されています。
鳥居をくぐり石畳の道を進んでいくと、壮大な那智の瀧へと繋がります。
那智の瀧は、落差が133メートル、水量は毎秒1トンと、落差水量ともに日本一のスケールを誇り、日本三大名瀑のひとつとされている瀧です。
那智の滝ふもとにある飛瀧神社では、延命長寿のご利益があると伝えられている那智の滝の滝壺の水を飲むことができます。
しっかりと那智の瀧へも参拝し、これにて今回予定していた全ての参拝が完了となりました。
那智の瀧の前はおみやげ物屋街のようになっているので、参拝後には買い物を楽しむことができます。
ここでの名物となっているのはお滝もちです。
滝のような形をした細長い持ちの中にあんこが入った絶品です。
石段地獄を乗り切った体に染み渡る美味しさでした。
いかがでしたか?
今回は、世界遺産にも登録されている古の霊場「熊野三山」を巡る旅を紹介させていただきました。
どの神社も神秘的な雰囲気を醸し出しており、都会から遠く離れたその距離がよりそれぞれの魅力を引き出しているように感じます。
おみやげ物以外には特に楽しみはありませんが、だからこそ各神社での参拝をゆっくりと味わうことができます。
ただし、石段だけは本当に辛いので体力に自信のない方は、覚悟して旅路についてください。
皆さんも、古来より神々が宿る浄土の地として多くの人々の信仰を集め、たくさんの方が参拝してきた熊野三山を、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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