世界遺産に登録! 「北海道・北東北の縄文遺跡群」とは??
2021年8月6日9:43 AM カテゴリー:アジア,日本,記事
2021 年 7月に行われたユネスコ世界遺産委員会において「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されました!!
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は『1万年以上にわたり採集・漁労・狩猟により定住した人々の生活と精神文化を伝える』遺産で、北海道・青森県・岩手県・秋田県に点在する 17 の遺跡で構成されています。
この地域は「白神山地」「知床」などの世界自然遺産があることでもわかるように、豊かな自然が残っています。
その自然の恵みを受けて、山ではブナやクリなどの木々が生い茂り、海では鮭や鱒などの豊かな漁場が生まれました。
縄文時代の人々はこの地域で1万年以上にわたって気候の変化に適応しながらも、採集・漁労・狩猟による定住文化を発展させました。
文化の発展とともに、祖先崇拝や自然崇拝、豊穣への祈念などを行うことで精神文化も発展させました。
墓地、祭祀・儀礼の場である盛土や環状列石、土偶などが出土しています。
ちなみに、縄文時代は今から約15,000年前から約2,400年前までのことです。
世界ではローマ帝国成立までの時代に相当します。
縄文時代以降は弥生時代という稲作農耕文化に移り変わります。
そんな日本史の始まりを伝える「北海道・北東北の縄文遺跡群」の内、今回は2つの遺跡をご紹介します。
三内丸山遺跡
「三内丸山遺跡」は青森県青森市にある日本最大級の縄文集落跡です。
内湾地域における生業や、大規模な集落と祭祀・儀礼の多様性を示す重要な遺跡です。
「三内丸山遺跡」の調査で、集落全体の様子や当時の自然環境などが具体的にわかりました。
竪穴建物跡、大型竪穴建物跡、大人の墓、子どもの墓、盛土、掘立柱建物跡、大型掘立柱建物跡、貯蔵穴、粘土採掘坑、捨て場、道路跡などが計画的に配置されていることが調査で発見されました。
また、膨大な量の縄文土器、石器、土偶、土・石の装身具、木器、骨角器が出土しています。
他にも、食生活や環境を示す多種多様な魚骨や動物骨、クリなどの堅果類も出土しており、通年において自然資源を巧みに利用していたことがわかります。
さらに、他の地域から運ばれたヒスイや黒曜石などの交易品も多数出土しています。
大規模な盛土からは、日本最多の2,000点を超える土偶など、まつりに使われる道具が大量に出土しています。
このことから、祭祀・儀礼が長期間にわたり継続して行われていたことが伺えます。
ヒョウタン、ゴボウ、マメなどの栽培植物も出土し、DNA分析によってクリの栽培が明らかになるなど、「三内丸山遺跡」での発見が縄文文化のイメージを大きく変えています。
「三内丸山遺跡」は通年で公開され、自由に見学することができます。
大湯環状列石
「大湯環状列石」は秋田県鹿角市に立地する大規模な遺跡です。
環状列石を主体とする祭祀遺跡であり、内陸地域における生業と祭祀・儀礼の在り方を示す重要な遺跡です。
環状列石とは、縄文時代の墓葬の遺構と考えられています。
高さ1m前後の自然石を環状に配置したものや、小規模な石造遺構を多数連続させて大きな環状に配置したものなどがあります。
「大湯環状列石」は、『万座環状列石』と『野中堂環状列石』の二つの環状列石を主体としています。
どちらも大小の川原石を様々な形に組み合わせて、環状に配置しています。
それぞれの環状列石を取り囲むように、同心円状に掘立柱建物、貯蔵穴、土坑墓などが配置されています。
また、環状列石の周辺からは、土偶などの祭祀・儀礼の道具が数多く出土しています。
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